ここから遠いところで沢山の人が亡くなったと聞いても涙が出ないのは、きっとわたしがその人たちの事を知らないからでしょう。
同じ場所でわたしの大好きな人が同じ運命に巡り合ってしまったとき、わたしはきっと大きな涙をこぼすでしょう。
地球の裏側で起こった悲惨なニュースを目の当たりにして、ある本の『私たちが「死」と呼ぶものには3種類あって、そのうちの1種類の死にしかわたしたちは悲しみを覚えない...』という一節を思い出しました。
ところで、急に寒くなりましたね。
終わりなく続きそうだった夏が突然居なくなり、ろくな準備も出来ないまま10月の寒さに追い立てられた身体が風邪を引いてしまいました。
元を糺せば子供達が何処からか貰って来た風邪のはずなのに、当の本人達はすっかり良くなって、飯を作れ、一緒に遊べと、わたしの弱った身体にムチを打つのだから堪りません。
少しは労わってくれよと言いたくもなりますが、先の悲しいニュースを見てしまうと、今日も元気に生きようとしてくれるわが子達の姿が愛おしく思えてしまうのです。
とは言え無邪気を通り越した傍若無人さには腹が立つので、今夜のおかずは茹でたブロッコリーだけです。
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